15-16PAI東日本大震災では、多くの人が災害時における個々の役割の大切さを学びまし...

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 東日本大震災では、多くの人が災害時における個々の役割の大切さを学びまし

た。大規模な災害の発生直後には「公助」は期待できません。行動の基本は

「自助」「互助」「共助」を中心に考えることが必要です。

「自 助」

 「自分の命は自分で守る」。全ての人が自分の身を守るために全力を尽くさなけ

ればなりません。まず、自分がケガをせずに生き残ることが基本です。

「互 助」

 ケガをせず生き残れたら、次に「家族や近所、友人の人たちと助け合う」です。

周りを見渡して、助けを求める人がいないか、確かめましょう。

「共 助」

 家族や近所の安全が確認できましたら、次は「地域の安全はみんなで守る」で

す。自主防災組織のような地域コミュニティを中心とした単位で、助け合いまし

ょう。

「公 助」

 「国や自治体、防災機関などによる救助・災害支援活動」。

 災害の規模が大きくなるほど公助による住民への迅速な援助は期待できません。

効果的な公助の展開には発災後 1 週間はかかると考えておく必要があります。

 災害時に必要な 4 つの役割「自助」「互助」「共助」「公助」

自助 互助

共助 公助

・備蓄品を

 用意する・家族・近所の人が

 無事か確認する

・地域(地区)単位で

 被害箇所を調べる

・身の安全を守りな

 がら消火活動・避難

 活動を行う

・消防、警察など

 災害時の対応

・復旧、復興の

 指揮

・避難所を

 確認しておく

・地震保険などに

 はいっておく

・声をかけて

 一緒に避難する

 自分自身の身を守る「自助」が第一ですが、近所の人たちと協力しながら

地域の安全を守る「互助」「共助」も必要です。

 自主防災組織は、地域コミュニティの力が

発揮される典型的な共助による組織です。

 日頃から地域の様々な活動に積極的に参加

して、地域の人たちとコミュニケーションを

取り、家庭や地域の人たちの状況を把握し、

災害時における各人の役割を明確にしておく

ことが大切です。

● 日頃からコミュニケーションを取る

● 地域ぐるみで災害対策

● 日頃からコミュニケーションを取る

● 地域ぐるみで災害対策

 阪神・淡路大震災で、家の下敷きになった人々の多

くを助けだしたのは、家族や近所の人たちでした。

 いざという時には隣近所で協力し合うことが大切で

す。普段から声をかけ合い、消火方法や病人・ ケガ人

の避難方法などを決め、訓練をしておきましょう。

地域で減災対策

 また、災害に弱い方々の立場にたった

心配りが大切になります。

 参加型の防災訓練で、地域における

防火用水、飲料水の確保、物資の備蓄の

有無などを調べ、救出・救護、炊き出し

や避難訓練・避難生活などの体験を

しましょう。

室内では、家具が倒れたり、物が落ちてきたりします。家具の配置や収納の仕方を工夫し、転倒や落下の

防止対策を行いましょう。家の中でいつもいる場所にタンスなどが倒れないよう、家具の配置や向きを工夫

しましょう。特に、寝ている時に頭上に物が落ちてくると危険です。

また、建物が倒壊した場合を考えて、上の階には重いものを置かないようにしましょう。

●壁に強度が足りない 場合は当て木をつけ、 ネジが抜けないよう にする

●壁に強度が足りない 場合は当て木をつけ、 ネジが抜けないよう にする●上下に別れて

 いる家具は金 具で連結する

●金具で壁と直接 ネジでとめる

●突っ張り棒式の器具は、 天井の強度を確認して 使用する

●突っ張り棒を使用する 時は、家具の下部も固 定するとより効果的

●扉は開かないように 留め具をつける

●キャスターは、 移動しないように する

●マット式の器 具をつけると きは、上部にも 器具をつけると、 より効果的

●ガラス扉などには、 飛散防止フィルムを 貼る

●ビン類は飛び出さない ようにストッパーを つける

● 頭上に注意!● 頭上に注意!

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 「自助」「互助」「共助」「公助」について

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