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サブサハラ・アフリカ主要国 インフラマップ 2011 年 3 月 ジェトロ・ヨハネスブルクセンター

サブサハラ・アフリカ主要国 インフラマップ - JETRO...1 AICD(Africa Infrastructure Country Diagnostic)はアフリカ連合(AU)や世界銀 行などが参加しアフリカのインフラ政策について協議するために設立された。調査レポ

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Page 1: サブサハラ・アフリカ主要国 インフラマップ - JETRO...1 AICD(Africa Infrastructure Country Diagnostic)はアフリカ連合(AU)や世界銀 行などが参加しアフリカのインフラ政策について協議するために設立された。調査レポ

サブサハラ・アフリカ主要国

インフラマップ

2011 年 3 月

ジェトロ・ヨハネスブルクセンター

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禁無断転載

本報告書に関する問い合わせ先:

ジェトロ・ヨハネスブルクセンター 住所:158 5th Street, 10th Floor Twin Towers East, Sandton City Johannesburg TEL:+27(0)11-784-6084 インフラ・プラントビジネス支援課 住所:〒107-6006 東京都港区赤坂 1-12-32 TEL:03-3582-5542

【免責条項】 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、一切の責任を負いません。これは、たとえ、ジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。

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サハラ砂漠以南の 48 カ国から成るサブサハラ・アフリカ(以下、アフリカ)では、

経済大国である南アフリカを筆頭にナイジェリア、アンゴラ、エチオピア、ケニアの

5 カ国だけで経済全体の 3 分の 2 を占める。これらの諸国を中心にアフリカ経済は、

2000 年代前半から急激な成長を示した。豊富な資源をめぐって世界中から資源開発の

ための資本が流入したほか、好調な経済成長を背景に内需も急拡大した。

出所:IMF世界経済見通し(10 年 10 月版)、10 年は推定値

資源開発とあわせ資源を運び出すための鉄道、道路、港湾施設などの周辺インフラ

整備も活発に進められている。また、経済成長に伴い需要が拡大する電力、水道など

の生活インフラ不足も深刻な問題となっている。今後さらに急激な人口増加が見込ま

れることから、インフラ基盤の構築は各国政府にとって重要な課題となっている。

国連人口部によると、アフリカの人口は 2005 年の約 7 億 6,433 万人(世界の約

11.7%)から 2030 年には 13 億 783 万人(同 15.7%)、2050 年には 17 億 5,327 万人

(同 19.2%)にまで達すると推定されている。年齢別人口構成の推移をみると 10 代

から 20 代の若年層は、2005 年の 3 億 969 万人から 2030 年にはその 1.7 倍、2050 年

にはその 2 倍に達する見込みだ。

4.8

2.32.9

3.6

4.9

4.65.2

5.3

2.8

-0.6

4.8

3.6

4.9

7.4

5.0

7.26.3

6.4 7.0

5.5

2.6

5.0

-1

0

1

2

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4

5

6

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図1.サブサハラ・アフリカと世界の実質GDP成長率の推移

世界 サブサハラ・アフリカ

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概況

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図2.アフリカの年齢別人口構成(単位:千人)

2005 年 2050 年

出所:国連人口統計

AICD1が 2009 年に実施した調査によると、アフリカのインフラ基盤は世界で最も脆

弱で、今後 10 年間に年間 930 億米ドルの投資を続ける必要があるとしている。分野

別では電力、輸送、情報通信、水道を中心に、なかでも電力分野に投資額の半分以上

を注ぐべきだとしている。各分野におけるインフラの現状と課題については、以下の

とおり指摘している。

電 力

アフリカ 48 カ国のうち 30 カ国は慢性的な電力不足に陥っている。48 カ国合計の発

電量は 68 ギガワットで、そのうち 25%は施設の老朽化やメンテナンス不足で発電で

きない状況にある。発電コストも世界水準と比較して高い。

輸 送

アフリカ輸送網の問題は、空路、海路、道路、鉄道などの各輸送手段の間をつなぐ

ルートがないことである。それぞれの輸送手段においても、空路の未発達、港湾施設

や道路の未整備、鉄道の老朽化など問題が多い。各国間を結ぶ陸路輸送網も、高い道

路使用料や国境手続きの煩雑さを背景に非効率で物流網の発展を妨げている。

情報通信

注目すべき成長分野のひとつ。アフリカの携帯電話利用者数は 2000 年の 1,000 万

人から 2007 年には 1 億 8,000 人に達し、その後も増え続けている。1992 年から 2005

年の間に民間部門はアフリカの通信インフラ整備に 200 億米ドルを投資したが、依然

として高いサービスコストが課題となっている。

水 道

水供給の状況が天候に左右されやすいこと、適切な貯水施設がないこと、人口増加

により水需要が拡大していることなどが深刻な水不足を招いている。飲料水へのアク

セスがある人々の数はアフリカの人口の 6 割にも満たない。アフリカには国境をまた

ぐ河川が 60 本以上あるため、水供給のための大型インフラ開発が難しいケースもあ

る。

1 AICD(Africa Infrastructure Country Diagnostic)はアフリカ連合(AU)や世界銀

行などが参加しアフリカのインフラ政策について協議するために設立された。調査レポ

ートは、Africa’s Infrastructure:A Time for Transformation(2009 年)

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