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富山県におけるネギ葉枯病と黒斑病の発生状況および「まだ ら症」の原因 誌名 誌名 富山県農林水産総合技術センター農業研究所研究報告 ISSN ISSN 18838227 著者 著者 守川, 俊幸 西畑, 秀次 三室, 元気 関原, 順子 岩田, 忠康 巻/号 巻/号 5号 掲載ページ 掲載ページ p. 17-22 発行年月 発行年月 2013年3月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

富山県におけるネギ葉枯病と黒斑病の発生状況および「まだ …富山県農総セ農研研報 5. 17~22 (2013) 17 富山県におけるネギ葉砧病と黒斑病の発生状況および

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富山県におけるネギ葉枯病と黒斑病の発生状況および「まだら症」の原因

誌名誌名 富山県農林水産総合技術センター農業研究所研究報告

ISSNISSN 18838227

著者著者

守川, 俊幸西畑, 秀次三室, 元気関原, 順子岩田, 忠康

巻/号巻/号 5号

掲載ページ掲載ページ p. 17-22

発行年月発行年月 2013年3月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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富山県農総セ農研研報

5. 17~22 (2013) 17

富山県におけるネギ葉砧病と黒斑病の発生状況および「まだら症」の原因

守川俊幸・西畑秀次 1).三室元気 2)・関原順子 3).岩田忠康

1.緒言

白ねぎは、本県で最も栽培面積の大きい野菜で

あり、転作作物としても生産振興が図られてい

る。ネギの病害として重要なのは、軟腐病や立枯

性の疫病、萎凋病であるが、その他にさび病そし

て黒斑病が防除対象となっている(守川ら 2001,

梅沢ら 2004)。

一方、 1990年頃から、 10月になると中心葉の

基部に淡褐色の小斑点が多数生じ(現地では「ま

だら」あるいは「赤葉」と呼称)、外観品質が低

下する事例が報告され始めた(小林 1991)。発

生当初はAJternarIa属菌が気孔に侵入している様

子が観察されたことから、本属菌による不定性病

害という見解のみで、結論を得ていなかったO と

ころが近年、その被害が著しく増加して看過でき

ない状況となっており、産地からはその原因究明

が強く求められた(以下、本稿ではこの症状を「ま

だら症」と呼称)。

そこで、本症状の原因の調査を開始したところ、

病斑の中央に位置する気孔にStemphylium属菌が

高頻度に侵入しているのが観察された。同じころ、

北海道の三津 (2008a,b)は同様な症状を「黄色斑

紋症状」と呼称し、本症状が葉枯病菌St,θmphylium

vesicarIum (Wallroth) E.G. Simmonsに起因するこ

とを実験的に証明した。その後、氏の精力的な研究

により本病の発生生態の全容が解明された(三津

2009a, Misawa and Yasuoka 2012)。本研究では氏の協力を得ながら、本県の「まだ

ら症Jについて調査研究を行った。また、県内に

おける発生状況を調査する過程で、本県では黒色

病斑を生じる病害のほとんどが「黒斑病」ではな

く、 Stθ'mphyJium属菌による「葉枯病」であるこ

とが判明したので、取りまとめて報告する。

1 )園芸研究所

2)富山県農産食品課

3)高岡農林振興センター

本研究を行うにあたり、北海道立総合研究機

構・道南農業試験場三津知央博士には終始有益な

情報を頂いた。この場をかりで厚くお礼申し上げ

る。

II. 材料および方法

l.発生状況調査

2009年9月7日から2010年 8月26日までの問、

10固にわたり県内各地のネギ産地を定期的に巡

回し、延べ74国場におけるまだら症および黒斑

病様の葉枯性病害の発生程度を調査するとともに

(40株/圃場)、採集した葉の病斑を顕微鏡で観察

し、着生する糸状菌の種類を調査した。なお、分

生子形成を伴う黒色病斑については、葉先の病斑

を「葉先枯病斑」、葉身の病斑を「葉身病斑」と

した。また、淡褐色の小病斑を「まだら症」とし、

調査した。なお、発病程度は三津の基準(三津

2008c)に準じて調査した。

2.供試菌株

2007年に県内で発生した「まだら症」、葉枯病

の「葉先枯病斑Jおよび「葉身病斑」から分離さ

れたSteI刀IjJhyJium属菌(表 1)を用いた。

表1 供試したStemphy/ium菌の来歴

菌株番号 分離源 採集地

TS1902 まだら症 立山町

TS1903 まだら症 立山町

TS1904 葉先手古病斑 富山市八ケ山

TS1906 まだら症 富山市八ケ山

TS1912 葉身病斑 富山市百塚

3.接種試験

三津の方法 (2008a、b) に従い、ポットに育

成したネギ(品種:ホワイトツリー)の中心第 l、

2、3葉の葉身基部に、幅約1.5cmのガーゼを 2

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18 日111県農林水産総合技術センター農業研究所研究報告第 5号 (2013)

~ 3 重に巻きつけ、 こ れに 0 . 5 mlの分生子懸濁液

(分生子約2000{!u!)をしみ込ませた後,220Cの

開室条件に置いた。 接種 2Fi後にガーゼを除去し、

最低温度150Cに設定したガラス温室に搬ILHして

発病程度を接種 9日後に調査した。

4.菌の同定

接種に供試した菌株のV8ジュース寒天培地上

に形成された分生子の形状を観察するとともに、

TS1903株についてはrDNA-ITS領域をシーケンス

し、既往の同との比較を行った。

III.結果

1 .発生状況

2009年 9月か ら翌年の 8月までの発生状況を

調査したところ、「葉先枯病斑」の発生は、春先

は少ないが年間を通じて認められ、 「葉身病斑」

は 7~ 10月 にかけて発生が見られた。一方、「ま

だら症」の発生は初春にもわずかに認められる

が、その後一旦消失し、気渦が低下する 9月下旬

から急増、 10月にはすべての固場で発生が認めら

れ、被害も急憎した(!ヌ!1 )。

「まだら症Jの病斑を顕微鏡で観察すると、 例

外なくStθmphyJjum属菌の発芽菌糸が気孔に侵

100

d?- 80

控60

標 的

制 20

40

悩 30

器20

10 UJJJJJJJJ1il

2009年 2010年

図1 県内における黒斑病様の「葉先枯病関J• r葉身病斑」

および 「まだら症」の発生推移(箱ひげ図)

j主)調査圃場数延べ74圃場、中心の太い帯は25-751¥ーセンタ イルの範囲

入し、その周辺組織が褐変している様子が観察さ

れた(!豆!2 a)。また、さび病的斑から 二次的な病

斑進展がしばしば認められた(!豆!2 b)。

さらに、「葉先制i病斑」と「葉身病斑」の病瑚

百!);を検鏡したと ころ、 AJter刀aIia属菌が観察され

る事(タIJは少なく、 StemphyJium属菌によるものが

大部分であった (図3)。なかでも分生子の棋隔

壁くびれが 1 ~ 3 イ|主|の ものが多く認められた。

2. 病原性

「まだら府」、「葉先枯病斑」および「葉身病関」

から分離されたStθ刀7phyJium菌をそれぞれネギ

に接種 したところ、いずれも 「まだら症」が再現

されるとともに、思古!¥から接種菌が再分離され

た。なお、「まだら症」は若い第 l葉 (中心葉)

で発生しやすい傾向が認められた(!;g!4)。

3. 菌の同定

分i訓菌の分生子は、いずれの菌株も 1~ 3佃の

横隔壁部のくびれを有し、 ~{ft横比は1. 8~ 2. 0で

あった。また、菌株TS1903のrDNA-ITS領域の配

列はデータベース上のSvθsicaIiumと99.6%一

致したことから、丘町51canU117と同定された。

IV.考察

本研究の結果から、本県の「まだら症Jは北海道

で報告されている「黄色斑紋病斑J(三j皐 2008a.b)

図2a まだら症 (上)と その

病mょに観察される

Stemphy 1 i um属菌分生

子と発芽菌糸の気孔

への侵入、組織の褐変

(下)

図2b さび病病 斑

(赤矢印)から

の二次的な葉

枯病葉身病斑

の進展(白矢印)

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19 71山県におけ るネギ柴杭病と県政E病の発ι1-,伏出および「まだら弘田正」の))_J¥I大|

説査

病III数

ロStemphylium

Alternaria

葉身病斑

射7k.氷見(9/7) 72

富山(9/14) 129

。8r、、i 砺;皮・南砺(9/16) I 128 1・新川・立山(10/5) I 88

富山(11/19) 128

射水・氷見(5/26) 1 117 2

南砺・射水(7/16) 58 1 71 Cコgp、J 富山・立山(7/22) 56 14

南砺(8/10) 32 20

富山(8/26) 60 21 一一→一一+ 十 十 十 寸 →一一+

調査

病斑数葉先枯病斑

調査場所(月/日 )

o 20 40 60 80100 o 20 40 60 80 100

病斑上の菌種(%)

病斑上に観察される菌種の構成

注)占l,l斑州向AJtθ'rJWrJe7が i:に観察された|副場は、

2010f下8月10日調1iの市i防111の21i1i11切のみ(全調査

761ifil場)

図3

口第3葉

ロ第2薬

ロ第1葉

無接種

[}J [. .1 L . J 1 1

4ヰー~孟晶一斑』

発病程度

州六

位査

次じ

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充皮よ病該数

×

まだら症 ト 「

葉身病斑 h賎糧布引

G

掴眼Eコ九三ζRRhU白川町側叶山取

「一一一一目、60 80 40 20 。

まだら症の発病度

分離源が異なる5temphyJiuJl7属菌による「まだら症」の再現

(接種誌験)

注)供試菌株のうち、TS1904(葉先枯病斑由来)、TS1912(葉身

病斑)、TS1902(まだら病斑由来)の結果を抜粋

図4

されている(三津2009b)。同開は分生子のくび

れの数で識別 され、主に前者が 1 ~ 3 、後者が

主に 1つのくびれを有する分生子を形成し、前

者の縦横比は2.0前後と細長い (Simmons1969,

Shishkoff and Lorbeer 1989)。現地から採取し

た「葉身病斑」には 1 ~ 3 つのくびれを有する事111

長いSt,θmphyHum属i宗iの着生が主に観察された。

一方、「葉先枯病j鬼」には 1=liT者の他にくびれの少

ないStemplげん'unJ属I星iも闘終された。以上から、

と同じものであり、葉枯病i量i5.veskarIumに起

|玄|することが明らかになった。さらに、県内で発

生している黒色病斑を形成する長枯性病害の多く

が葉枯病菌によるものであり、主|共闘病菌は少ない

ことが|明らかになった。このことから、本県では

県閥抗jよりも葉枯病を念頭においたrl)J除対策が必

長であると考えられる。

ネギ葉仙病の病原菌として5.vesicalブumと

5. botryosumの2種のStθ刀Jp再yJium属菌が記載

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20 富山県農林水産総合技術センター農業研究所研究報告第 5号 (2013)

本県においてはSvesIcarIumが主要な種である

が、「葉先枯病斑」の形成には他のStemphyiIum属菌の関与も示唆された。

旧来、本県ではネギの葉に紫色の縁取りのある

黒い病斑が生じるとAlternarIaporrIによる黒斑

病と診断され、これに応じた防除対策がとられて

きた。実際に1980年頃は、このような病害の多く

が;A.porrIによるもので、 1990年頃にはこれを重

視し、当所に於いても防除試験が実施された。一

方、正式な記録は残されていないが、 1998年の氷

見市のネギ生産地域では、ほとんどの圃場で葉枯

病が主体であったとされている。ネギ葉枯病の発

生が顕著となった時期は、本邦で丘町sICalプum

の発生が正式に報告された1989年(市川 1992)

以降であり、本菌の生息域の拡大に伴って葉枯病

あるいは「まだら症」の発生が増加しているよう

にも解釈されるが、一方では、黒斑病の発生がこ

こまで減少した背景を説明する資料はない。何れ

にせよ、両病害の発生の変遷については、使用薬

剤の種類や品種の変選、菌の競合、気象要因など

様々な視点からの解析と議論が必要である。

両病害の病斑は酷似しており、肉眼観察で識別

することは容易では無い。よって、正確な診断を

行うには、顕微鏡あるいはルーペを用いる必要が

ある。幸いにも、黒斑病老対象に散布されている

薬剤の多くが葉枯病に対しでも殺菌活牲を有する

ことから、現地では、黒斑病を対象にした防除に

より一定の防除対策は成功しているかのようにも

見える。一方では、「まだら症」の防除を念頭に

置いた防除対策は実施されていなかった。三津

(2009a,c)の報告あるいは、本研究の知見に基

づき、現在では「まだら症」の発生に応じた防除

の組み立てが実施されているところである。

さて、「まだら症」の発生は温暖な季節には認

められず、 9月下旬以降、気温が低下し始める

時期に中心葉を中心に急速に認められるように

なる。なぜ、このような現象が生じるのであろう

か。本病の拡大型の「葉身病斑Jはネギ・タマネ

ギともに外葉で発生しやすいことが知られており

(Shishkoff and Lorbeer 1989,三津 2008b)、老

化葉では抵抗性反応が弱く、若い中心葉では強い

と解釈される。そして、中心葉では、多くの場合、

本病菌の発芽菌糸が気孔に侵入した段階で、宿主

の防御反応により封じ込められており、「まだら

症」の病斑の気孔周辺の褐変は、日に見える防御

反応の表れと言える。なお、秋に急増する要因と

して、気温が深く関与していると推察される。す

なわち、三津 (2008b) は、「黄色斑紋病斑(ま

だら症)J の発生適温が15~200Cであると報告し

ており、 9月下旬以降の気温が、中心葉における

気孔周縁部の褐変反応の発症に適しているものと

推察される。以上により、圃場での発生消長のパ

ターンが説明されよう。

本県における「まだら症Jの発生は、品種聞に

差があることが普及の現地周場の調査で明らかに

なっており、その資料は品種選定の参考とされて

いる。三津 (2009a) も同様に、品種によってそ

の発現に差があることを示しており、被害回避策

として品種の活用は有効である。ただし、本症状

の品種間差異を考える場合、一般の病害の抵抗牲

の差異とは異なる解釈が必要である。すなわち、

一般的に抵抗性あるいは感受性の程度は、感染の

頻度、感染した後の病斑拡大の程度に伴う被害、

すなわち擢病牲の反応で評価されるが、「まだら

症」の発生の差は、「目に見える防御反応の発生

のしやすさの差」である点に留意しなければなら

ない。

多くの場合、本病菌の気孔からの病斑進展は成

功しないが、生理的に枯れ上がった葉先や、さび

病等他の病害の病斑部から二次的に本病が急速に

進展するのがしばしば観察される(図 2b)。三

津 (2009c)は、さび病以外にもべと病の病斑が

本病の起点となること、べと病に活性のある成分

を含む薬剤の散布は葉枯病に対し防除効果が高く

なることを報告している。海外では、タマネギ

の葉枯病を防除するには、ベと病を防除すること

が最も重要とされている (Miller,and Schwartz

2008)。また、本県の広域普及指導センターの調

査では、 pHの低い圃場で生理的な葉先枯れが多

いことを明らかにしていることから、葉先枯れの

防止も視野に入れた対策が講じられつつある。

このように、「まだら症」を含め、葉枯病を防

除するには、本病に有効な防除薬剤を選定するこ

と、葉先枯れを防ぐための肥培管理・水管理、そ

して他の病害の防除もしっかりと行うことが重要

と考えられる。

最後に、本病の第一次伝染源について考察して

みたい。セイヨウナシでは本属菌は主に有性世代

月θosporaの偽子嚢殻の状態で越冬することが

知られている (Rossiet al. 2005, Llorente et al.

2006)。本病の場合も偽子嚢殻が被害残誼ととも

に越冬し、翌春にこれより飛散する子嚢胞子が

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富山県におけるネギ葉枯病と黒斑病の発生状況および「まだら症」の原因 21

主な第一次伝染源となることが報告されている

(Misawa and Yasuoka 2012)0本県では、畑作

地帯よりも水田転換畑でのネギ栽培が多い。いず

れの圃場環境においても本病は発生しており、適

正な収穫残誼の処理や輪作を考えていく上で、本

県における本病の第一次伝染源とその所在につい

て、今後検証する必要があると考えられる。

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22 富山県農林水産総合技術センター農業研究所研究報告第5号 (2013)

Survey of Leaf Diseases Caused by Stemphylium and Alternaria on Welsh Onion in Toyama Prefecture and -the Pathogen Responsible

for ‘Madara' Syndrome

Toshiyuki MORIKAWA, Hidetsugu NISHIHATAl), Genki MIMUR02),

Junko SEKIHARA3) and Tadayasu IWATA

Summary

In Toyama Prefecture in the 1980's, most blackish leaf spots with purple margins on Welsh onion

were due to purple blotch disease caused by Alternaria porii; however, in recent years, most of

these symptoms were due to leaf blight caused by Stemphylium vesicarium. The symptoms caused

by these two organisms are very similar.

In autumn of 2009, small yellow spots referred to as the ‘Madara Syndrome' occurred within every

Welsh onion field. The yellow mottled symptoms were due to a type of leaf blight caused by S.

vesicarium.

1) Horticultural Research Institute, Toyama AFF Center, Goromaru 288, Tonami 939-1327, Japan)

2) Agricultural Food Product Division, Toyama Prefecture, Toyama 930-8501, Japan

3) Takaoka Agricultural and Forestry Promotion Center, Akasofu 211, Takaoka 933-0806, Japan)

[Bull.Agr.Res.lnst,Toyama Pref. Agr., For. Fish. Res. Ctr.No.5 P17-P22 (2013)J