特別講演 11　スポーツ・アート5月16日（木）　15:20〜16:20　京王プラザホテル札幌 2F エミネンスホールA（Room1）

司会：朝戸　裕貴（獨協医科大学 形成外科）

SL11

ガウディの芸術と健康

田た な か

中 裕ひ ろ や

也AC, Gaudi Club, ORIOCC.S.L Doctor Arquitecto

ガウディの優れた芸術性は、環境と生活の中で育まれた地域の反映に見られるところがそこには幼少の頃ら背負っていた小児リュウマチを患い一生涯その健康管理を伴侶とした人生感であったことはあまり知られていない。人にはそれぞれ生まれてながらにして生きるための条件がある。それが個性であったりするが、その与えらた人生環境でどのように自分を成長させるかという課題が与えられ、その問題をどのように解決するのかということを最近になって考えさせる。実は、私も２７歳の頃に「ろく膜炎」を患い３ヶ月の入院を余儀なくされ、その快復から現在に至る。以来のその病気が自分のバロメーターとなり生活コントロールをすることになる。その条件の中でスペインのバルセロナにやってきて４０年の歳月をガウディの建築を実測と作図没頭してきた。さらに最近の１５年間は原書の翻訳と合わせて作図の裏付けを追いかけて現在に至る。中でも貴重なガウディの言葉に「芸術性」と「健康」にこだわる言葉を残していることに気がつく。しかも実測から見える数字から不思議と人間工学に従った方法で作られえていることに気がつく。最初は階段だけを実測していてサイズが日本のサイズに似ているのである。そんなガウディによる健康管理は、食事療法にもあることを示唆している言葉が残っている

「力が余っているものは気をつかう必要はないだろうが老人は特に用心し、消化の良いもの選び量が過ぎないようにする。よって果物、野菜、牛乳、麦パン、は良い。牛乳は消化が遅く、乳酸は胃において消化の必要な他のものを消化させないのでヨーグルトを薦める。この食料は喉の渇きはないが水を少々飲み血液中の胆汁や尿素を除くフイルターとしての腎臓を洗う。全てのフィルターは奇麗にしていなければならい。リキュールやワインは肝臓を責める。肉と汁は腎臓をせめる。」このような具体的な話は彼の友人の医者によるアドバイスとも伺える。さらに「一日中忙しくしているのが良い。知的作業、散歩、体操をし、それぞれの力に合わせる。よって夜中じゅう熟睡するがこれが均衡である。償いは生活である。」としている。この言葉に従った生活が芸術活動にも反映される。建築と美しい形の作品ついても「色による絵画や生物（像、木、果物）の組織を表現する彫刻は、それらの手段を通して内面性を外部にあらわす。建築は組織を作り出すために自然と調和する法則が必要となる。法則に従わない建築家は、芸術作品を作らずナンセスなものを作る」というコメントまで協力者たちの会話に残されている。よって生活の中で健康管理のための食事療法とメンテのための適度な運動が体の均衡を維持しながら芸術活動を促進させ健康な感性による反映を作品にも演出されることが伺える。

【略歴】【学歴】1972年 麗澤瑞浪高校卒業1975年 国士館大学卒業1980年 カタルニア工科大学バルセロナ建築学部大学院入学1992年 カタルニア工科大学にて建築家・工学博士号を取得

【職歴】1975-78年 日吉建築事務所（大阪）1978年 バルセロナ渡航1889年 ガウディ・クラブ文化協会設立（バルセロナ）1990年 オリオック有限会社設立（バルセロナ）

【著作】1986年 ガウディ建築実測図面集（彰国社）を出版1991年 ガウディと尺度を出版1998年 ガウディの独り言（京都書院）を執筆

2012年 3月 1日 実測で読むガウディの建築（彰国社）2013年 4月 20日 ガウディ・コード、ドラゴンの瞳（長崎出版）

【建築作品】1999年 10月 17日 “ ロカの家 ”（シチェス）住宅計画2001年 12月 カサ・ボクス住宅計画（マスナウ）竣工2004年 10月 17日 江別市セラミック・アートセンターに BET-1竣工2007年 4月 22日 アルブレ広場増改築計画オープニング2012年 3月 25日 北山幼稚園竣工

【受賞歴】2004年 4月 スペイン王子賞芸術部門にノミネート、2005年度

にもノミネートされる2015年 12月 バルセロナ日本総領事工官賞2016年 6月 9日 第10回ガウディ・グレソール賞2018年 2月 9日 全国日本学士協会、アカデミア賞受賞

特別講演

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