Upload
others
View
3
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
レltIh
■1
国一
1
,II
l li I
し
iill
/
li
il
::
1
■
ム(U)・シリコーンゴム(SI)・ふっ素ゴム(FPM)・多硫化ゴム(T)
〔3〕ゴムの伸び
(1)実験の準備
①ゴム ○ゴムは図aのようにする。
○ゴムに番号をつける。
再生ゴム 2種類……・・…1~8・11~18 図a
自転車のチューブ…・・……21~28・29・30
ブチルゴム 2種類……・・31~34・41~44
(2)ゴムの伸び (30℃)
①実験方法・装置(図b)
○おもりをぶらさげていき、どれだけ伸びたか印をつける。
②結果・考察
図a1cm
/
12cm わりば
(cm)
15
10
「つ
針金
再生ゴム
自転車のチューブ
おもり ブチルゴム
針 100 200 300 400 500 600 (g>
図b 図c
Oおもりの重さとゴムの伸びをグラフにすると、図cのようになった。
○このグラフの線は、すべて、原点を通る曲線である。このことから、ゴムにつるす
おもりの重さとゴムの伸びは、正比例しないということがいえる。
(3>ゴムを冷やしたときの伸び PART I (-17℃)
①実験方法
1.冷凍庫にゴムと電気式の温度計とを入れ、冷やす。温度は一17℃ぐらいに保つ。
2.充分冷やしておいて、(2)と同じように測る。
一 56一
②結果・考察
○おもりの重さとゴムの伸びをグラフにすると図dのようになった。
○伸び方にあまり変化はない (cm)
が、温度が30℃のときに比 15 べて、少し伸びる長さが短
くなった。 (ゴムによって
違いはあるが、伸びにくく
10 なったものの方が多い。)
再生ゴム
rつ
自転車のチューブ
0 100 200 300 400 500 600 (g>
図d
(4>ゴムを冷やしたときの伸び
PART ll(-50℃) エタノールゴム ①実験方法・装置(図e) ット 1.ドライアイスとエタノールを、 度計 ホーローのコップに入れ、寒剤を
つくる。
2.寒剤の中にゴムを入れて冷やす。
温度計も入れ、温度を測っておく。
3.下からの伝導を防ぐため、コッ
プの下に発泡スチロールをしく。
4.よく冷えたゴムを、図bのよう
にす速くつるし、一度に450gのお
もりをつるして伸びた長さを測る。 図e
②結果・考察
○ゴムの温度を一50℃まで下げると、おもりをつるしても、ゴムの温度が30℃のと
きに比べて売~÷ぐらいしか伸びない。(次ページの図fから)
○ゴムの温度を一50℃まで下げると、ゴムはかたくなった。しかし、折れなかった。
○冷やしたゴムにおもりをつりさげ、しばらくそのままにしておくと、ゴムの温度
が上がっていくにつれて、ゴムは次第に長くなっていく。しかし、ゴムの温度が
室温と同じになると、それ以上長くならない。
一 57一
t
Il,
■
■
剛」一
… 1
ー
ー 11」
1
11
1
㎝
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
A…-50℃
B…-17℃
C…5℃
D…30℃
おもり…4509
)5(
①
ABCD ABCDゴムを温めたときの伸び (75℃)
実験方法・装置(図g)
1.ゴムにおもりをつるす。
2.
入れる。
3.針が指すところに印をつける。
4.
5.
A B C D
図f
ゴムに紙つつをかぶせ、その中に温度計を
ドライヤーで紙つつの下から熱風を送る。
温度が75℃前後まで上がったとき、針が指
すところに印をっけ、熱風を送るのをやめる。
6.温度が下がったときに印をつける。
7.4~6の操作をくり返す。
②結果・考察
○ゴムの伸びの変化をグラフに表すと図hのよう
うになった。
(cm)
10
5・
図h
一/\/再生ゴム
自転車の_/”“’一’一一一一・一→チ。.ブ
/冷一→一・-zeブチルゴム
A C D
0
A C D
!一一紙
おもり
図9
○ゴムは、熱すると縮むと
言える。
(合成ゴムの中で耐熱性に
優れたものは、あまり変
化がないが。)
35℃→80℃→35℃→80℃→35℃
一 58一
(6)実験結果のまとめ
○ゴムにつるすおもりの重さと、ゴムの伸びは、正比例しない。グラフにすると、
原点を通る曲線になる。これは、ゴムの温度をかえても変わらない。
○ゴムの温度が一17℃のときは30℃のときに比べると、少し伸びにくくなる。
○ゴムの温度が一50℃のとき、ゴムはかたくなり、おもりをつるしてもほとんど伸
びない。
○温度が30℃のゴムにおもりをつるし、熱風をあてて温度を75℃ぐらいまで上げる
と、ゴムは縮んでいった。 (多くのゴムについていえることである。)
〔4〕ゴムの構造一ゴムの弾性の秘密一
固体の弾性は、物質をつくりあげている原子や分子のあいだに働くカー引力あるい
は反発カーからくる。しかし、ゴムの弾性と他の固体の弾性は、起こるわけが違う。
それでは、ゴムにはなぜ弾性があるのだろうか。それは、ゴムの構造に秘密があるの
だ。
(1)ゴムの構造一ゴムにはなぜ弾性があるのか一
ゴムの分子は長い鎖状高分子である。鎖状高分子とは、長い大きな分子である。
力を加えないときのゴムひものなかのゴムの分子は、図iのように丸まった構造
をしている。これを「糸まり」という。それは、一本一本のゴムの分子のなかの各
部分が、でたらめな回転運動(熱運動ともいう)をしているからである。そのため、
糸まりも、刻々に形を変えているのだ。しかし、糸まりどうしはたがいにからまり
合っているから、よその場所へころがっていくことはない。だからゴムは立派な固
体なのである。
さて、つぎにこの糸まりの集団を引っぱると、図jのように長く伸びる。そして、
引き伸ばされたゴムの鎖状分子は、その各部の運動によってもとの丸まった構造
(図iの形)にもどろうとする。これがゴムの弾性力の原因である。手をはなせば、
その激しい運動でただちにもとの状態にはねもどる。でたらめな運動をしている鎖
にとっては、無理に伸ばされた状態よりは丸まった状態の方が自然なのである。
(2)
図i
カ
図j
カ
ゴムはなぜ弱い力で伸びるのか
ゴムが弱い力で伸びるのはなぜか。これは次ページの図kのように、鋼鉄の弾性
と比較すると良くわかる.金属のなかでは、金属結合とよばれる非常に強い力で原
子と原子が結びついている。鋼鉄を引っぱって伸ばすためには、この強い結合を引
きはなさなければならない。鉄の弾性が強く、なかなか伸びないのはこのためであ
る。
一59一
.」
「
’
I I.
I I I
I
I U
I-II
IIIII随I
h四II
田1ーー,
ーII円 11 1111
それにひきかえ、ゴムを引き伸ばすには、分
子の運動で丸まっている糸まりを引き伸ばすだ
けである。糸まりを引き伸ばすにも、そんなに
力はいらない。だから、ゴムは弱い力で引き伸
ばすことができるのである。
(3)ゴムはなぜ非常に長く伸びるのか
図kからもわかるように、ゴムの分子の糸ま
りは、それぞれ非常に長い鎖状分子の丸まった
ものであるから、これを引き伸ばせば容易に4
倍、5倍の長さになると考えられる。
(4)ゴムの弾性のまとめ
力
コム
○ゴムの分子は、くちゃくちゃに丸まった鎖状高分子である。
○ゴムの弾性の原因は、鎖状高分子の各部分の運動である。
図k
力
】V 結 論
①弾性とは、変形させたときにもとの形にもどろうとする性質のことである。
どんな固体にも弾性はあるが、その強さはそれぞれ違っている。
②ゴムにはたくさんの種類があり、用途に応じて使いわけられている。
③ゴムにつるすおもりの重さとゴムの伸びは、正比例しない。グラフに表すと、原点
を通る曲線になる。これは、ゴムの温度を変えても変わらない。
④ゴムにおもりをつるしても、ゴムの温度によって伸びる長さが変わる。
温度が30℃のときに比べて、-17℃のときは少し伸びにくくなる。-50℃のときは
ほとんど伸びなくなる。ゴムを熱して75℃にすると、ゴムの分子の熱運動がさか入に
なり、ゴムの弾性が強くなるので、ゴムは縮んでいく。
⑤ゴムの弾性は、はね動く鎖状高分子の運動の結果である。
V 総 括
(1)感 想
実験の装置などは、全部家にあるものを利用して使った。そのため、「科学的」と
いう言葉からはずい分かけ離れたものになってしまったが、身近にあるものでも色々
な実験ができるということがわかった。
日常、何気なく使っているゴムにも、こんな秘密があったのだ・こう考えると、今
年の自由研究はとても楽しいものだった。
今回は「弾1生」について調べたが、このような物質の性質にっいて研究する学問の
ことを、「レオロジー(流動学)」という。私はこの自由研究を通じてレオロジーにも
興味をもった。また別の機会に調べてみたいと思う。
一 60一
② 反省
たくさんのゴムを使って実験をしたかったが、ゴムが手に入らなくて、5種類のゴ
ムしか使えなかった。
ゴムの温度を変えてみて、「ゴムの温度と伸びの関係」も調べたかったが、できな
かった。
参考文献
岩波科学の本「流れる固体」 中川鶴太郎著
一 61一
「