4
338 技術資料 1 防火地域と準防火地域における建築物の種類 防 火 性 火災により、人命および財産である建築物が毎年大きな損害を被っています。貴重な人命・財産の安 全確保の立場から建築物の火災に関する法規制が種々定められています。 防火地域と準防火地域 都市計画法第9条に、市街地における火災の危険を防除するため、防火 地域と準防火地域が定められています。 市街地の火災を防除するために各市町村で下記の種類の地域が定められ ています。 (凡例) 防火地域 町の中心部、主として商業地域に指定されることが多い。 準防火地域   防火地域をとりまき、比較的防火上重要な地域が指定さ れます。 法22条指定区域 都市計画区域内外にわたり指定されている準防火地域を 囲むように指定されています。 A B C 防火地域、準防火地域及び指定区域における建築物の基準が下表のよ うに定められています。 防火地域 (法第61条) 準防火地域 (法第62条) 法22条指定区域 (法第22・23条) その他の区域 《大規模木造建築物等》 (法第25・26条) 建築物が異なる地域に またがる場合 (法第67条) ※ここでいう『準不燃性能』とは、「通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止 するために屋根に必要とされる性能(法第22条)」のことで、その技術的基準は、令第109条の5に 定められています。 防火地域内においては、階数が3以上であり、又は延べ面積 が100㎡を超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築 物は原則として耐火建築物又は準耐火建築物としなければ なりません。 準防火地域においては、地階を除く階数が4以上である建 築物又は延べ面積が1, 500㎡を超える建築物は耐火建築 物とし、延べ面積が500㎡を超え1,500㎡以下の建築物は 耐火建築物又は準耐火建築物としなければなりません。ま た、地階を除く階数が3である建築物は耐火建築物、準耐火 建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の 防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定 める技術的基準に適合する建築物としなければなりません。 防火地域又は準防火地域以外の市街地で、特定行政庁が 指定する区域において、屋根を準不燃性能 、外壁で延焼 のおそれのある部分を準防火性能のある構造とするなどの 規制があります。 延べ面積が1,000㎡を超える木造建築物等については、外 壁や軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、屋根 を準不燃性能 のある構造とするほか、防火壁によって床面 積1,000㎡ごとに区画するなどの規制があります。 建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指 定されていない区域をまたがる場合は、その全部についてそ れぞれ防火地域又は準防火地域の規定が適用されます。ま た、防火地域と準防火地域をまたがる場合は、防火地域の 規定が適用されます。原則として、厳しい方の地域の規制を 受けます。 耐火建築物と準耐火建築物 建築基準法で、耐火及び準耐火建築物はそれぞれ以下のように定められ ています。 耐火建築物 主要構造部を耐火構造とした建築物で、外壁の開口部で延焼のおそれ のある部分には、政令で定める遮炎性能を有する防火設備を設けたもの をいう。(法第2条第九号の二) 準耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、主要構造部を準耐火構造とするか、又は 準耐火構造と同等の準耐火性能を有するもので政令で定める技術的基 準に適合するものとし、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、 政令で定める遮炎性能を有する防火設備を設けたものをいう。(法第2条 第九号の三) 主要な道 路線防火地域 鉄道 Station

防 火 性 - TOSTEM...338 技術資料 1防火地域と準防火地域における建築物の種類 防 火 性 火災により、人命および財産である建築物が毎年大きな損害を被っています。

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Page 1: 防 火 性 - TOSTEM...338 技術資料 1防火地域と準防火地域における建築物の種類 防 火 性 火災により、人命および財産である建築物が毎年大きな損害を被っています。

338

技術資料

■1 防火地域と準防火地域における建築物の種類

防 火 性 火災により、人命および財産である建築物が毎年大きな損害を被っています。貴重な人命・財産の安全確保の立場から建築物の火災に関する法規制が種々定められています。

防火地域と準防火地域都市計画法第9条に、市街地における火災の危険を防除するため、防火地域と準防火地域が定められています。

市街地の火災を防除するために各市町村で下記の種類の地域が定められています。

(凡例)

   防火地域 町の中心部、主として商業地域に指定されることが多い。   準防火地域   防火地域をとりまき、比較的防火上重要な地域が指定さ れます。   法22条指定区域 都市計画区域内外にわたり指定されている準防火地域を 囲むように指定されています。

AB

C

防火地域、準防火地域及び指定区域における建築物の基準が下表のように定められています。

防火地域

(法第61条)

準防火地域

(法第62条)

法22条指定区域

(法第22・23条)

その他の区域

《大規模木造建築物等》

(法第25・26条)

建築物が異なる地域に

またがる場合

(法第67条)

※ここでいう『準不燃性能』とは、「通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止 するために屋根に必要とされる性能(法第22条)」のことで、その技術的基準は、令第109条の5に 定められています。

防火地域内においては、階数が3以上であり、又は延べ面積

が100㎡を超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築

物は原則として耐火建築物又は準耐火建築物としなければ

なりません。

準防火地域においては、地階を除く階数が4以上である建

築物又は延べ面積が1,500㎡を超える建築物は耐火建築

物とし、延べ面積が500㎡を超え1,500㎡以下の建築物は

耐火建築物又は準耐火建築物としなければなりません。ま

た、地階を除く階数が3である建築物は耐火建築物、準耐火

建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の

防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定

める技術的基準に適合する建築物としなければなりません。

防火地域又は準防火地域以外の市街地で、特定行政庁が

指定する区域において、屋根を準不燃性能※、外壁で延焼

のおそれのある部分を準防火性能のある構造とするなどの

規制があります。

延べ面積が1,000㎡を超える木造建築物等については、外

壁や軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、屋根

を準不燃性能※のある構造とするほか、防火壁によって床面

積1,000㎡ごとに区画するなどの規制があります。建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指

定されていない区域をまたがる場合は、その全部についてそ

れぞれ防火地域又は準防火地域の規定が適用されます。ま

た、防火地域と準防火地域をまたがる場合は、防火地域の

規定が適用されます。原則として、厳しい方の地域の規制を

受けます。

耐火建築物と準耐火建築物建築基準法で、耐火及び準耐火建築物はそれぞれ以下のように定められています。

耐火建築物 主要構造部を耐火構造とした建築物で、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、政令で定める遮炎性能を有する防火設備を設けたものをいう。(法第2条第九号の二)

準耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、主要構造部を準耐火構造とするか、又は準耐火構造と同等の準耐火性能を有するもので政令で定める技術的基準に適合するものとし、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、政令で定める遮炎性能を有する防火設備を設けたものをいう。(法第2条第九号の三)

主要な道 路線防火地域

鉄道Station

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339

■2 防火戸に関する建築法規制●防火戸の種類と構造防火設備の種類防火設備には、使用の目的と場所によって次の種類があります。

特定防火設備

 火災の拡大を防止するものであり、防火区画や防火壁の開口部、外壁

の開口部、避難階段の出入口部分などに用いられています。

防火設備

 主として、開口部の延焼防止を目的として、防火区画の一部や外壁の開

口部などに用いられています。

防火設備の規定防火設備は、政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が

定めた構造方法を用いるか、国土交通大臣の承認を受ける必要があります。

《防火設備の規定》

遮炎性能に関して、法令で定める技術的基準に適合するもの

国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの

国土交通大臣の認定を受けたもの

防火設備の技術的基準防火設備は、建築基準法及び建築基準法施行令により、その性能につい

ての技術的基準が規定されています。

名 称   特定防火設備          防火設備

法第2条第九号の二ロ 

令第109条の2

法第64条

令第136条の2の3

耐火建築物または準耐

火建築物の外壁の開口

部で延焼のおそれのあ

る部分

防火地域または準防

火地域内の建築物の

外壁で延焼のおそれ

のある部分

法令※ 令第112条第1項

建築物の周囲で発生

する通常の火災火炎の種類 建築物の屋内または周囲で発生する通常火災

設置場所 防火区画

性  能 遮炎性能 準遮炎性能

遮炎時間 1時間

甲種防火戸に相当 乙種防火戸に相当

要  件

建築基準法

改正前の対応

する防火戸

加熱面以外の面に火災を出さない20分

※「建築基準法」は「法」と、「建築基準法施行令」は「令」と略します。(防火性の章において、以下同じ。)

防火設備の構造方法防火設備及び特定防火設備の技術基準に適合する構造方法については

建設省(現、国土交通省)告示により、以下のように規定されています。

防火塗料を塗布した木材及び網入ガラスで造られたもの

材料の種類特定防火設備

(平成12年建設省告示第1369号)

防火設備

(平成12年建設省告示第1360号)

鉄   製

鉄板厚さ1.5㎜以上のもの

骨組が鉄製で、両面にそれぞれ厚さ0.5㎜以上の鉄板を張ったもの

鉄板厚さ0.8㎜以上1.5㎜未満のもの

鉄骨コンクリート製

鉄筋コンクリート製厚さ3.5㎝以上のもの 厚さ3.5㎝未満のもの

土 蔵 造 厚さ15㎝以上のもの 厚さ15㎝未満のもの

鉄と網入ガラス 鉄及び網入ガラスで造られたもの

骨組に防火塗料を塗布した木材製

屋内面に厚さ1.2㎝以上の木毛セメント板又は厚さ0.9㎝以上のせっこうボードを張り、屋外面に亜鉛鉄板を張ったもの

開口面積が0.5㎡以内の開口部に設ける戸

●防火戸を使用しなくてはならない開口部防火設備の必要な外壁の開口部外壁の延焼のおそれのある部分で、防火設備を使用しなければならない開口部は下記の通りです。

対象建築物 対象部位 防火設備の種類 法令

耐火建築物

準耐火建築物

法第2条第九号の二ロ令第109条の2法第2条第九号の三令第109条の2

防火地域内又は準防火地域内の建築物

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

準遮炎性能を有する防火設備

法第64条令第136条の2の3

延べ面積50㎡以下の附属建築物 50㎡超100㎡以下 100㎡超

3以上

2

1

耐火建築物

木造建築物(防火構造)も可

耐火建築物又は

準耐火建築物

階数(地下を除く)

延べ面積500㎡以下 500㎡超1500㎡以下 1500㎡超

4以上

3

2又は1

耐火建築物

木造建築物(防火構造)も可

耐火建築物・準耐火建造物又は技術基準※適合建築物 耐火建築物

又は準耐火建築物

階数(地下を除く)※ 技術基準のうち、隣地境界線等から水平距離が1m以下の部分の開口部に設ける防火設備については、  以下のいずれかの構造とする必要があります。(令第136条の2第一号)  ①常時閉鎖式であるもの  ②随時閉鎖でき、かつ火災を感知して自動的に閉鎖するもの  ③はめころし戸である防火設備但し、換気孔または居室以外の室に設ける換気窓で、開口面積が各々0.2㎡以内のものを除く。

遮炎性能を有する防火設備

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

防火地域内又は準防火地域内の規定は原則として上表のとおりですが、建築物の規模によって以下のように定められています。

①防火地域内の建築物(法第61条)

対象建築物 対象部位 防火設備の種類 法令

耐火建築物

準耐火建築物

法第2条第九号の二ロ令第109条の2法第2条第九号の三令第109条の2

防火地域内又は準防火地域内の建築物

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

準遮炎性能を有する防火設備

法第64条令第136条の2の3

延べ面積50㎡以下の附属建築物 50㎡超100㎡以下 100㎡超

3以上

2

1

耐火建築物

木造建築物(防火構造)も可

耐火建築物又は

準耐火建築物

階数(地下を除く)

延べ面積500㎡以下 500㎡超1500㎡以下 1500㎡超

4以上

3

2又は1

耐火建築物

木造建築物(防火構造)も可

耐火建築物・準耐火建造物又は技術基準※適合建築物 耐火建築物

又は準耐火建築物

階数(地下を除く)※ 技術基準のうち、隣地境界線等から水平距離が1m以下の部分の開口部に設ける防火設備については、  以下のいずれかの構造とする必要があります。(令第136条の2第一号)  ①常時閉鎖式であるもの  ②随時閉鎖でき、かつ火災を感知して自動的に閉鎖するもの  ③はめころし戸である防火設備但し、換気孔または居室以外の室に設ける換気窓で、開口面積が各々0.2㎡以内のものを除く。

遮炎性能を有防火設備

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

②準防火地域内の建築物(法第62条第1項)

対象建築物 対象部位 防火設備の種類 法令

耐火建築物

準耐火建築物

法第2条第九号の二ロ令第109条の2法第2条第九号の三令第109条の2

防火地域内又は準防火地域内の建築物

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

準遮炎性能を有する防火設備

法第64条令第136条の2の3

延べ面積50㎡以下の附属建築物 50㎡超100㎡以下 100㎡超

3以上

2

1

耐火建築物

木造建築物(防火構造)も可

耐火建築物又は

準耐火建築物

階数(地下を除く)

延べ面積500㎡以下 500㎡超1500㎡以下 1500㎡超

4以上

3

2又は1

耐火建築物

木造建築物(防火構造)も可

耐火建築物・準耐火建造物又は技術基準※適合建築物 耐火建築物

又は準耐火建築物

階数(地下を除く)※ 技術基準のうち、隣地境界線等から水平距離が1m以下の部分の開口部に設ける防火設備については、  以下のいずれかの構造とする必要があります。(令第136条の2第一号)  ①常時閉鎖式であるもの  ②随時閉鎖でき、かつ火災を感知して自動的に閉鎖するもの  ③はめころし戸である防火設備但し、換気孔または居室以外の室に設ける換気窓で、開口面積が各々0.2㎡以内のものを除く。

遮炎性能を有する防火設備

外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

●防火設備の安全性能平成17年12月に建築基準法施行令112条14項が改正され「通行の用に

供する部分に設ける防火設備について安全性能についての下記規定が追

加されました。

①閉鎖作動時の運動エネルギーが10J(ジュール)以下であること。

 1ジュールは、1�(ニュートン)の�が物体を1�ートル動かす時の仕�量。1ジュールは、1�(ニュートン)の�が物体を1�ートル動かす時の仕�量。

②防火設備の質量が15kg以下であること。(質量が15kgを超える場合は、

水平方向に閉鎖するもので、閉じ�が150�以下であること。)

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技術資料

●防火戸の認定と試験・評価方法防火設備の認定防火設備についての国土交通大臣の認定を受けるためには、指定性能評価機関※において試験を実施し、�前評価を受けることが必要です。※指定性能評価機関とは、国土交通大臣認定の�前評価を実施する機関で、原則とし

て試験と評価の両方を実施します。

申請から認定までの流れ

申請書類の提出

事前審査受付

書類審査

評価・総合審査

評価書の交付

大臣認定の申請

大臣認定

試験実施指定性能評価機関にて実施

防火設備の必要な区�の開口部の必要な区�の開口部必要な区�の開口部な区�の開口部開口部防火区画により、その開口部に必要な防火設備は以下の通りです。は以下の通りです。以下の通りです。ただし、これ以外にも区画できない部分の��等があります。、これ以外にも区画できない部分の��等があります。も区画できない部分の��等があります。区画できない部分の��等があります。

対象建築物及び区画等の種類 区画面積等 防火設備の種類 法令

面積区画

高層区画

堅穴区画

異種用途区画

主要部が耐火構造主要部が準耐火構造外壁耐火構造不燃構造

床面積   ≦1500㎡

床面積   ≦500㎡

床面積   ≦1000㎡

床面積   ≦100㎡

床面積   ≦200㎡

床面積   ≦500㎡

特定防火設備※1

特定防火設備※1

特定防火設備※1

特定防火設備

特定防火設備

特定防火設備※2

特定防火設備※1防火設備※1

特定防火設備※2防火設備※2

特定防火設備※2防火設備※2

令第112条第1項

令第112条第2項

令第112条第3項

令第112条第5項

令第112条第6項

令第112条第7項

令第112条第9項

令第112条第12項

令第112条第13項

法第27条第2項、第62条第1項に基づく準耐火建築物(不燃構造または1時間準耐火構造を除く)

11階以上の部分で内装仕上げが難燃材料

11階以上の部分で内装仕上・下地とも準不燃材料

11階以上の部分で内装仕上・下地とも不燃材料

主要構造部が耐火構造または準耐火構造で、地階または3階以上に居室のある建築物

メゾネット住戸・吹抜き・階段・エレベーター昇降路・ダクトスペースその他竪穴を形成する部分の周囲を区画

当該用途部分、相互間およびその他の部分との間を区画

※1 常時閉鎖または随時閉鎖方式とし、常時閉鎖以外の場合は、煙感知器連動または熱感知器連動とする。ただし、階段室、エレベーターの昇降路の場合には、煙感知器連動、かつ遮煙性能を有する構造とすること。

※2 常時閉鎖または随時閉鎖方式とし、常時閉鎖以外の場合は、煙感知器連動、かつ遮煙性能を有する構造とすること。

建築物の一部が法第24条に該当する建築物

建築物の一部が法第27条に該当する建築物

●法第21条第1項ただし書、第27条第1項ただし書、第27条第2項、第62条第1項に基づき主要構造部を耐火構造または1時間準耐火構造とした建築物

●法第27条第2項、第62条第1項に基づく準耐火建築物(不燃構造)

●延焼のおそれのある部分イ.隣地境界線、道路中心線から1階で3m以下、2階以上では5m以下の距

離にある建築物の部分ロ.同一敷地内に2以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内の建築物

では、1棟とみなされる)があるときは相互の外壁間の中心から、1階で3m以下、2階以上では5m以下の距離にある建築物の部分

L

LLL

L L

L L

L L

L

LL

道路中心線

道路中心線

1F 1F

2F2F

3F

1F 1F

2F2F

隣地境界線

隣地境界線

隣地境界線

隣地境界線

道路中心線

防火戸不要

相互の外壁間の中心

相互の外壁間の中心

5m 5m

3m 3m

5m 5m

3m 3m

5m 5m

3m 3m

※同一敷地内で延べ面積の合計が500㎡を 超える場合

※同一敷地内で延べ面積の合計が500㎡ 以内の場合は1棟と見なす

L:1階では3m、2階以上では5m

延焼のおそれのある部分

遮炎、遮煙性能を併せ持つ防火設備

〈適用範囲〉堅穴区画で遮煙性能を要求される部分の防火設備に適用する開き戸について規定する。    (エレベータの昇降路の防火設備)

〈防火設備の適用〉設備の適用〉〉建築基準法施行令第112条第14項二号に規定する区画に用いる防火設備。

〈遮煙性能〉遮煙性能は、指定性能評価機関の防火設備性能評価業務方法書「自動的に閉鎖又は作動し、遮煙性能を有する防火設備」による認定試験で大臣が認定したものです。

(複合防火設備)

新認定番号 開閉形態旧認定番号 遮炎仕様 区画方法 主用途 団体名

CASー0257鋼製シャッター・鋼製開き戸/複合防火設備(準耐火構造壁・床付き)

CASー0002

CASー0040

CASー0003

CASー0014

随時閉鎖又は常時閉鎖

随時閉鎖又は常時閉鎖

平成12年建設省告示第1369号による特定防火設備

平成12年建設省告示第1369号による特定防火設備

平成12年建設省告示第1360号による特定防火設備

認定番号EB-9131EB-9132による防火設備

直前区画又は空間を形成する区画

直前区画又は空間を形成する区画

空間を形成する区画

空間を形成する区画

ビル用エレベーターの直前区画、又はホール区画

ビル用エレベーターの直前区画、又はホール区画

(社)日本シャッター・  ドア協会(社)日本サッシ協会

(社)日本シャッター・  ドア協会(社)日本サッシ協会

(社)カーテンウォール・  防火開口部協会

(社)日本サッシ協会(社)カーテンウォール・  防火開口部協会

平成19年2月現在

CASー0258鋼製開き戸・木質系開き戸・鋼製シャッター・鋼製折りたたみ戸/複合防火設備(準耐火構造壁・床付き)

常時閉鎖

CASー0260耐熱板ガラス入り鋼製開き戸/複合防火設備(準耐火構造壁・床付き)

CASー0262網入板ガラス入り鋼製開き戸/複合防火設備(準耐火構造壁・床付き)

常時閉鎖

・ビルのエレベーターホール区画・地下駐車場のエレベーター ホール区画・ホームエレベーターの ホール区画

・ビルのエレベーターホール区画・地下駐車場のエレベーター ホール区画・ホームエレベーターの ホール区画

(注)1.“CAS”は「煙���と連動した防火設備の自動閉鎖機構」の意�です。は「煙���と連動した防火設備の自動閉鎖機構」の意�です。煙���と連動した防火設備の自動閉鎖機構」の意�です。���と連動した防火設備の自動閉鎖機構」の意�です。。   Close automatically when the ocurrence of a fire has led to generation of smoke

(注)2.CAS認定は遮煙性能合�品を��し、���り付けとする。認定は遮煙性能合�品を��し、���り付けとする。。(注)3.遮煙性能認定品は上記以外でも、個�認定品があります。遮煙性能認定品は上記以外でも、個�認定品があります。

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341

防火設備の試験・評価方法防火設備についての国土交通大臣の認定を受けるためには、指定性能評価機関において以下の方法で試験を行い、評価を受けることが必要です。

加熱方法次の式で表される数値となるよう、特定防火設備は60分、防火設備は20分加熱する。遮炎性能は屋内外両面を、準遮炎性能は屋外面についてのみ加熱する。

T=345log10(8t+l)+20但し、Tは平均炉内温度(℃)、tは試験の経過時間(分)とする。

1000

900

800

700

600

500

400

300

200

100

00 10 20 30 40 50 60

781℃

945℃

時間(分)

温度(℃)

(特定防火設備)

(防火設備)

判定方法 ○非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がないこと。 ○非加熱側で10秒を超えて継続する発炎がないこと。 ○火炎が通る亀裂等の損傷及び隙間を生じないこと。ただし、防火戸のくつずり

及びシャッターの床に接する部分の隙間(10㎜以下)は除外する。

耐火標準加熱曲線

●代表的な仕様規定

グレイジン材は建築ガスケット工業会・日本シーリング材工業会が指定する防火戸用ガスケット材及びシーリング材。

ガラスは角・菱網入板ガラス又は耐熱板ガラス

戸主要部の肉厚は1.8mm以上

枠主要部の肉厚は1.5mm以上

材質はJIS H4100に規定するA 6063 S

P001697.04.19…0.5h

枠見込みは70mm以上

●防火戸の基本形式の大きさ

ドアセット

開閉形式

FIX窓

引き窓

引き窓

開き窓

回転窓

開き窓

上げ下げ窓

ルーバー窓

プロジェクト窓

ドレーキップ窓

7.2(4.8)

14.4

8.0

2.01.2

2.04.8

4.0

4.09.6

4.8

3.0(2.4)

4.0

4.8

1.01.0

2.02.4

2.0

2.04.8

2.4

3.0(2.4)

3.6

2.4

2.01.4

1.22.4

2.0

2.02.4

2.4

引き自動ドア 9.6 4.8 2.4

使用上の制約条件

幅 W 高さ H

最大面積A(㎡)

ガラスブロック

一辺の最大長さ(m)

・横方向に入れる中骨の長さは、1.2m以下とする。

・平面Rとする場合は、曲率半径0.35m以上(枠内側)とし、幅は円弧で2.4m以下、高さは2.0m以下とする。

・網入り板ガラスの厚さ6.8mmを用いる場合は、( )内の寸法以下とする。

・戸1枚の幅は1.2m以下、面積は2.4;以下とする。

・召合せに煙返しのない構造は召合せ中骨を有する形式に限る。その高さは、1.5m以下とする。

・引き窓等のFIX部分の最大寸法は、FIX窓の基本形式の最大寸法以下とする。

・平面Rとする場合は、曲率半径1.0m以上(枠内側)とする。

・戸1枚の高さは0.9m以下とする。

ガラスルーバー窓のとき

・戸1枚の幅は1.2m以下、面積は2.4;以下とする。

・ドレーキップ窓のみに適用。

・戸1枚の幅は1.2m以下、面積は2.4;以下とする。

・戸1枚の幅は1.2m以下、面積は2.4;以内とします。

・引き自動ドアのFIX部分の最大寸法は、FIX窓の基本形式の最大寸法以下とします。

●最大面積は「幅×高さ」とし、幅と高さは枠の内のり寸法による。幅及び高さが制限内で、かつ面積も制限内であること。●上下左右の寸法が異なるときや円形、だ円形、隅R付などの変形サッシの場合も各開閉形式の最大寸法以内とする。●製作寸法は使用するガラス、耐風圧性能要求値などに左右されますので当社営業窓口までお問い合せください。

■ガラスの代わりに用いるパネルの最大面積板厚3㎜以上のアルミニウム板、板厚0.8㎜以上の鋼板及びステンレス鋼板としパネル1枚1.2㎡以下とします。

■網入板ガラス及び耐熱板ガラス面積平成12年建設省告示第1458号「屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐�上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定めるの件」及び「耐熱板ガラス品質規�」によります。

開閉形式�の最大寸法(内のり寸法)

■3 アルミニウム合金製防火戸について